脂漏性皮膚炎(顔のオイリー肌)

脂漏性皮膚炎とは

脂漏性皮膚炎は頭皮がかゆい、ふけがでるとの訴えで受診されることが多いのですが赤くかさかさとしてかゆみをともなう発疹が、頭皮以外におでこ、鼻のまわり、耳や首、わき、上背部や上胸部などにもみられることがあります。
いわゆる脂漏部位(皮脂腺がよく発達して皮脂分泌がさかんな部位)に生じる湿疹の1種です。

原因

皮脂の過酸化脂質などの分解産物により皮膚が刺激され皮膚炎を起こすと考えられており、慢性経過をたどる疾患です。

また真菌(カビ)の一種で脂が多い環境を好むマラセチアが皮脂を分解して菌の産生する酵素や誘導された炎症起因物質が皮膚を刺激することも関与していると考えられています。

治療

ステロイド外用薬

肌の赤みが強いときには、炎症を抑える効果があるステロイドをケトコナゾールと併用することもあります。
しかしステロイドは、長期間の使用で皮膚が薄くなり、毛細血管が拡張するなどの副作用が確認されているのです。
そのため、症状がおちついたときにはステロイドの使用を中止するなど、お一人おひとりの症状に合わせて薬を使い分けます。
 

抗真菌薬

脂漏性皮膚炎の原因に関与しているマラセチアなどのカビに対して、抗真菌薬であるケトコナゾールを処方します。
頭皮はローションタイプ、顔にはクリームタイプを使います。
 

マイクロボトックス

マイクロボトックスとはボトックスをお肌の浅い層に細かく注入していく、ボトックス注入技術です。
従来のしわ治療へのボトックスは、筋肉に直接注射をし、筋肉の動きを抑えますが、マイクロボトックスは筋肉よりも浅い層に注入することで筋肉の動きを残しつつ、たるみを引き締め、小じわなどを目立たなくしてキメを整えます。また、毛穴の開きの改善、過剰な皮脂分泌や発汗を抑えたり、化粧くずれをしにくくする美肌効果もあります。自費治療になります。

イソトレチノイン

皮脂を抑えることで毛穴を縮小させます。また6-12ヶ月の内服で皮脂が出にくい体質に変えることができます。
ニキビの治療にもつかわれます。アメリカやヨーロッパでは広く使われている薬ですが、日本では自由診療になります。

スピロノラクトン

もともとは利尿薬として使用されている薬です。
男性ホルモンを抑えることで皮脂分泌を抑えるはたらきがあります。
男性ホルモンが皮脂分泌の増加に関与しているため、スピロノラクトンや米国で認可されているその類似薬の外用薬などが症状の改善に効果が期待できます。自費治療になります。