アトピー注射(デュピクセント、イブグリース、アドトラーザなど)

  • 注射薬はアトピー性皮膚炎の原因となる炎症やかゆみに関与する主要な物質「IL-4や13(サイトカイン)」の働きを抑制することで症状を改善します。従来の治療では改善できなかった症状が劇的に改善します。
  • 生後6カ月以上から使用できます。
  • ある程度以上の強さのステロイド外用薬・プロトピック軟膏などの抗炎症外用薬を半年以上投与しても十分な効果が得られない方で、定期的にしっかり通院できる方が使用できます
  • 副作用はアレルギー反応、注射部位の痛み、結膜炎などです。
  • 注射は希望してから指導などもあるため半月から1カ月程度開始まで時間がかかります。初回注射~2回目までは院内で注射しますがアレルギーが出ないかの経過観察など含めると2-3時間必要になります。

A:治療開始前 B:治療4カ月後 
Freitas E, et al. EJD. 2024;34(5).より引用

デュピクセント(一般名:デュピルマブ)

世界で初めてアトピー性皮膚炎に承認された生物学的製剤です。生後6か月以上から使用できます。
デュピクセント相談室で費用や助成などを相談できます。

  • 投与方法:初回600mg皮下注、その後2週間ごとに300mg皮下注
  • 作用機序:IL-4受容体αに結合し、IL-4/IL-13シグナルを阻害
  • 特徴:喘息や鼻茸にも適応があり、合併症を持つ方にも有効
  • 顔面の赤みには少し効果が弱いことがあり、結膜炎の副作用が一定数にみられます。

イブグリース(一般名:レブリキズマブ)

2024年に承認された新しい抗IL-13抗体製剤です。12歳以上かつ体重40㎏以上で使用できます。

  • 作用機序:IL-13を特異的に阻害
  • 投与方法:皮下注射
  • 特徴:IL-13に特化して抑える選択的治療。デュピクセントと似た効果を示しつつ、副作用プロファイルが異なる点に注目されています。
  • 結膜炎の発症がやや少ないとされています。
  • 投与3回目までは2週間毎の投与ですが、状態が良い場合は徐々に4週おきに投与することもできます。

アドトラーザ(一般名:トラロキヌマブ)

同じくIL-13を標的とする生物学的製剤です。2023年に発売されました。15歳以上から使用できます。

  • 作用機序:IL-13に特異的に結合し炎症を抑制
  • 投与方法:初回600mg皮下注、その後2週間ごとに300mg皮下注
  • 顔面の赤みにも効果を発揮し、結膜炎も少ないというデータがあります。
  • 薬価が比較的低く、費用負担がやや軽めなのも特徴です。